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2010年10月13日水曜日

意外な質問

 
ある大学の医学部の3年生に対する「薬が効くってどういうこと?」という講義を終わって、質問を受ける。講義の最中はなかなかの手ごたえがあり、どんな質問かと思っていたら、「統計の話とかが多くて、私の期待した話が少なくて、期待外れでした」という質問ならぬ、講義に対する抗議。その抗議について講義をし直そうかと思ったが、そういう時間もなく、こちらもパニックになりつつ、わけのわからない回答をして帰ってきた。

質問者が講義を聞いて思いだしたのは、薬嫌いの祖父が無理やり薬を飲まされたこと。それがとても嫌なこととして思い出されれるというようなはなし。
エビデンスなんかどうでもいいから、飲みたくないということをよく聞いてほしかった。そういうことだったのかな。そうだとすると、わたしはそういう話をしたんだけど。
薬を飲みたくない人にも、薬が有効だというエビデンスがかなり役立つという話で、質問者のニーズにぴったりだと思うのだけど、全然期待外れだと。さらにわざわざ手を挙げて発言してまでまで、私に期待外れだというのだからよほどのことだったのだろう。

講義の限界というのは、こちらが好きなように話すしか仕方がないように、聞く側も好きなようにしか聞いてくれないというところだ。でもそれだけのことでもなさそうだ。

質問者が、わざわざ手を挙げてまでいい残したこと、今一度振り返る必要がある。
 

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