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2010年9月19日日曜日

話は通じていない

 
日々の診療で、多くの薬を処方する。しかし、薬の効果について説明することはなかなか難しい。

「これは効くような効かないような薬です」

それで話が通じるわけはないのだけれど、通じるためにはそうした部分を乗り越える必要がある。

「治療をする」、ということは、「生きる」ということの縮図である、そういえば当たり前のことだが、現実は、「生きること」より、「治療する」ことの方が大きなことになってしまいかねない。

「生きる」ということが「治療する」ということと同様に、長生きすること、健康でいること、という一方向で考えられる。「治療をする」ということが、「生きる」ということを決めているように見える。それをもう一度反転する必要がある。

「治療をする」ということは、「生きる」ということの一部にすぎない。「治療する」ということが、「生きる」ということより大きくなってしまうようなバカげたことは、早く何とかしないといけない。

そうなったときにはじめて話が通じる。でもそれは医者嫌いの人と話したりすれば、簡単に話が通じたりするのだけれど。
 

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