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2010年9月5日日曜日

ワークショップで僕は君に話しかけたかった

 
後期研修医向けのワークショップ。
話したいことは山ほどある。

かぶっていた野球帽をなくして(そのあとすぐに出てきたのだけど)、思い出した話。
野球選手の帽子に成りたいというネフローゼの少年。
小学生に上がるか上がらないかくらいの年齢で、自分が死んだ後のことを考えていたのであろう少年のこと。医者に成りたい、先生に成りたいではなく、帽子に成りたい、自分が死ぬのではないかという恐怖と常に向き合っていた少年のこと。

臨床研究のワークショップであったが、本当はそういうところまで行きたいのである。
何のための研究か?そういう少年のための研究である。

ほんとはそんな話もしない方がいいのだ。ただ話しかけたいということだけで十分。
話さないことで伝わる。そういうことに賭けられるくらい、自分自身も少しは成長したと思う。
というわけでその話は早々に切り上げて、臨床研究のワークショップに移る。

こっちはもう2冊の本にしたし、もう出来上がったことを扱うのみ。
ただ大事なのは話しかけたいということで話す内容ではないのだ。

これでいいのだ。
 

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